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タワレコ梅田マルビル店、閉店の報を受けて

 昨年12月にタワーレコード梅田大阪マルビル店の閉店が発表された事もあって、我が古巣へ最後の挨拶をしに行って来ました!ちょっと思い出話を一つほど・・

 時は1995年・・この頃のタワーレコードは、まだまだ洋楽輸入盤が主力で、1990年にアメリカ村に出来た タワレコ心斎橋店 に毎週洋楽輸入盤をチェックしに行ってました。          95年2月頃に「 タワレコの新店が梅田にオープン!オープニングスタッフ募集! 」ってバイト情報誌で見つけて早速応募。( 当時は地元のライン工で燻っていて、週末のレゲエ・ヒップホップメインのクラブ通いだけが楽しみだった )          面接では「 CDの所有枚数 」「 知ってるメジャー会社・レーベルの名前 」「 希望するジャンル 」「 好きなアーティストを5つ挙げてください 」な質問だった。          何が決め手になったのか?は分からんが面接に通って、5月くらいから梅田の準備室にてオープン準備。         国内他店舗や海外のディストリビューターから送付されてくる大量のCDを50音順・アルファベット順・ジャンル分けをして段ボールに詰める作業を毎日行ってた。           10月に入って、店長に呼び出されて「 J-POP担当 」を告げられる!ワシとしては ” SOUL / R&B ”か ” REGGAE ”を希望していたのでショックを受けた・・。

 当時は海外輸入盤が全盛だったってのは間違いないが、このオープンする梅田店に関しては、試験的に邦楽に力を入れるフラッグシップ店になるとの事。        それまでは敬遠していたAVEX系の小室サウンドや歌謡曲・演歌なんかも置くらしい。          そして聞かされた ” オープン初日に B’z を生ゲストに呼んでラジオ放送 ”って案件。            しかも、B’z サイドとしても、初めて生ラジオ出演って事で、シングル「 LOVE PHANTOM 」を梅田店のオープン日にリリースする事と梅田店のみにロゴ・ピンバッヂを特典に付けるみたい。          J-POP担当になったとはいえ、まだ『 ふーん・・B’z ねぇ・・生ラジオ出演って言うても誰か見に来るんやろか? 』くらいに考えてました。          J-POP担当となったのは、チーフに男性1人、現場担当がワシ!その他にシングル担当、ビデオ担当( まだVHS時代 )、インディーズ担当、レジ2人の全員が女性。            チーフは売り上げやバイト管理も兼ねてたので、実質の現場で一番上となるのがド素人のワシ!            オープン前々日くらいに 「 B’z / LOVE PHANTOM 」が入荷して来た!その数、なんと5000枚!!1店舗で5000枚やで!!今では考えられん数字ですわ。            皆、自分が担当するジャンルのコーナーの点検や新譜へのコメント書きで忙しい中。ワシとバイトちゃん2人は延々と B’z コーナーを作って袋に入れて特典を用意して・・の作業に追われてました。

 そして、迎えた当日・・未だに夢に出てくるくらいなんやけど、まさか B’z の人気がそこまであると思ってなかったのですよ。           オープン初日のシャッターを開けて「 いらっしゃいませ! 」と店員で並んで挨拶する予定だったのですが、そんなのお構いなしに四方八方から「 B’z / LOVE PHANTOM 」を買い求めるお客さん達が店内に雪崩れ込んで来た!!        どう考えてもJ-POPチームだけじゃ捌けないので、洋楽チームや他のレジ担当の子達を総動員!              更に困った事が、無事にCDを購入した方達が店内から出て行かず、ラジオブース前を占拠し始めた!          オープンから2時間経っても人の流入が止まらず、購入した方達が ” 生の B’z ”を見る為に店内に留まってるもんだから、満員電車以上の込み具合に・・。        マルビルの警備担当者からは「 他店舗から営業妨害のクレームが入ってるので何とかしてくれ! 」と泣きが入るけど、外部から警備員も雇っておらず、全ての対応を店員でしなきゃならん!            昼過ぎになっても人の流入は止まらず、どんどん人が溜まっちゃって大声でクレームが飛び交う地獄絵図。            どうやら店舗外、ビルの周辺道路や隣のビルにまで人が溜まっちゃってるようで、遂に警察から「 何とかしろ! 」の連絡が来たみたいで、店長以下チーフなどの偉いさんはバックルームで会議。          そうなるとJ-POPフロアではワシが一番年上になっちゃうので、自然とクレーム対応係に・・。           女の子の店員は、皆に怒号で詰められて泣いちゃってるし、もう本当にどうにもならない状況。           1時間ほどして会議の結果・・オープン初日なのにお客さんを店外に出してシャッターを閉める事にするようだ。            「 B’z / LOVE PHANTOM 」を購入しに来た方をはじめ、普通に洋楽やクラシック・ジャズなどの音源を購入しに来た方達から一斉にクレーム!( そりゃそうなるやろ )         シャッターの外からガンガン叩かれて女の子達は怯えちゃってるし、偉いさん達は警察への対応に追われて現場に出て来ないし・・。           そうしてるとマルビルの警備担当と警察官数人から「 階段で将棋倒しになってるぞ!まだまだ人が来ててラジオブース前で喧嘩してるぞ!何とかしろ! 」と通告が来てね。        店長に「 こんな事になってて・・どうしましょうか? 」と指示を仰いだところ返って来たのは・・何と!!「 君一人で廊下に出て何とかしてくれるか? 」やった。          もうシャッターが人の重みで歪んじゃってて壊れそうなところへ、ワシが出て行って「 皆さん、一旦 店の外に出て並んでください! 」と大声を張り上げて言ってみたら、お客さん達に囲まれてクレームの嵐!          はい、胸倉掴まれてビンタされて、エプロンに着けてた ” B’zピンバッヂ ”を取られましたよ。         警察官から「 店の人が出て来たら火に油を注ぐので店内に戻ってください! 」と指示されてね。( ほな何の為に出て行ったんや?殴られる為か!? )        午後3時くらいに B’z の二人と事務所の方が来られたのですが、予想通り「 この状態で生トークをさせる事は出来ないです。 」と言われる。          そしてFM85.1の番組担当者さんと店長が出した結論が、ラジオブースで生トークはするけどサテライトスタジオのシャッター下ろす!やった。( そのシャッターを下ろすんはワシなんやけど・・ )          これは後から聞いた事なんやけど、その頃、表の道路は歩行者天国みたいになってて、周辺道路が人で溢れちゃって、道路整理の為に機動隊が動員されて、各TV曲の報道ヘリが飛んでたみたい。           正確な人数は分からんけどザックリとした発表では ” 7000人 ”来てたとか!?            そして放送が始まって、ゲストコーナーになった瞬間に「 キャー!!!!!キャー!!!!! 」と黄色い声が20分ほど続いて、全くトーク内容は聞こえず・・ファンの方達からすれば『 このシャッターの向こうに本人達が居る! 』という事実だけで満足だったのでしょうね。        放送終了後にJ-POPチームと B’z のお二人との顔合わせも予定されてたんやけど、断念せざるを得なかったのが悔やまれるな・・。
※ お客さん視点の記事→ < コチラ >
 オープン初日の早々に閉店、番組が終了して外がシーン・・となってたので、こっそりと外に出てみたら誰も居ないでやんの!           その代わりに B’z の帰り際を一目見ようと、周辺道路がエライ事になってたみたいやわ。            ワシのエプロンは初日にしてボロボロやし、殴られ蹴られで体の節々が痛いし、踏んだり蹴ったりのオープン初日でした。          次の日、店長とチーフに呼ばれてバックルームに言ったら「 君はクレーム対応や人の誘導に向いてそうやから、イベント担当を兼任な! 」と告げられたのであった!
 オープンから約10年くらい、インディーズ担当としては9年くらい本当に色々ありました・・この B’z 騒動に似た話では「 モーニング娘 / モーニングコーヒー 」リリースの時もヤバかったなー。           バンドマンの何人かには話した事があるけど ” aiko + ワシ VS 小室哲哉 ”との喧嘩話、 ” 安室奈美恵スタッフ ”との喧嘩話、 ” エリック・マーティン( fr.Mr. BIG )本人 ”との喧嘩話、” Toshi(fr.X JAPAN )スタッフ ”との喧嘩話などなど他にも一杯喧嘩話があるんで、また機会があれば書いても良いかなー?アカンのやろうなー。
 あと書ききれないくらいのアーティストとの出会いがあってね!それらは今でも財産になってる! マルビル店が日本一の売上げだったアーティストも一杯居ます!          工場のライン工で『 あぁ・・もう一生こんな感じで地元で過ごして行くんやろうな・・。 』から救い出してくれて、その後の人生の ” 軸 ”を作ってくれたタワーレコードには感謝しかないや!音楽が好きで良かったな!

音楽
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